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社長あいさつ/オタクが日本を救う
きっかけ
リクルートという会社で15年間働いていました。
人材事業にずっといたので、ありとあらゆる業種の企業とお会いしました。その中でお話を聞きながら、強く感じるようになったことが一つあります。
「この国は、衰退する中で何を守りどう分配するかしか考えることがない」
ある日、財務省に勤めている同級生から転職の相談をもらったことがあります。民間企業の給与相場が知りたい、という話でした。
財務省の中でも上司から特に目を掛けられていて辞めるのはちょっともったいないよなぁ、と思い、そもそもなんで辞めるの?という話を聞いてみました。
「この先の財務省の仕事の9割は社会保障の最適分配の話だから」
「最適な分配のために駆けずり回るよりも、この国の成長に寄与したい」
自分自身が感じていたこと含め、本当にその通りだなと思い、その意見に対して反論する言葉がありませんでした。
原体験
小学校時代に3年間、ニューヨークに住んでいたことがあります。現地校に通い、日中韓は同一民族と自他ともに扱われる中で、日本人であることが特別扱いされる瞬間がわずかにありました。
おにぎり (riceball)
スーパーファミコン (SuperNintendo)
の2つです。(当時マンガ・アニメはまだあまり輸出されていませんでした。ドラゴンボールが少年ジャンプで絶賛連載中の頃です。)
ニューヨークは多くの国籍、民族の人が集まる街なので、小学校のお祭り的な集まりで、各生徒の親が作る民族料理をみんなで食べましょう、という日がありました。
世界各地の料理が集まる中で、圧倒的な一番人気で品切れ。それが実はおにぎりでした。
普通の日でも母親が作ってくれたおにぎりを食べているとそのおにぎりを僕のホットドッグと交換してくれないか、と声を掛けられることがあったくらいです。
スーパーファミコンはもっと象徴的かもしれません。アメリカに行く前の年に日本で発売されて、日本にいる時は買ってもらえませんでしたが、アメリカに行く時に友達できないとかわいそうだからと、おそらくそんな理由で買ってもらうことができました。
今とはかなり違うと思いますが、当時は日本版のゲームソフトと、アメリカ版のゲームソフトの販売には相当タイムラグがありました。結果、アメリカの子供が熱望しているソフトがすでに我が家にある、ある種のタイムマシン経営がそこには成立していました。その結果、最新ソフトを遊ぶために家に遊びに来る子もいるくらいでした。
自分が日本を誇らしく思えた瞬間。その原点はこのおにぎりとスーパーファミコンにあると思っています。
今の世界における日本
世界の時価総額ランキングの年間推移を見ると顕著な日本企業の衰退、米中のITジャイアントが力を増す中での日本におけるITユニコーン不在、学力や科学技術力における日本のランキングの低下。
日本の国力が衰退していることを示す材料は枚挙にいとまがありません。業界地図みたいなものを参照しても、この15年間でいつの間にか日本企業が上位から消えてしまった業界もたくさんあります。
その時に、日本が最後まで世界に誇れるものは何なのか。それは日本の文化にしか答えがないのかもしれない、と思っています。おにぎりとスーパーファミコン的なものしか残らない、ということです。
クールジャパンという言葉が一時期流行り(最近あまり聞かない)、日本の文化を輸出することはすべてクールジャパンだということでクールジャパンファンドみたいなものもできて持て囃されたことがあります。
残念ながらクールジャパン推進も思うようには進まず、マンガやアニメ、ゲーム、アイドルという日本のお家芸とされていた領域も、気づけば中韓のポジションが高まり、日本の地位はすでに脅かされています。
けど、これを失ってしまったらもうこの国は終わる。自分自身がアメリカにいた時とリクルートで働きながら感じてきたことの中で、これは譲ってはいけないものだと思う一つの動機となっています。
オタクの始まり
マンガ、アニメ、ゲームは昔から好きです。特にアメリカにいた頃は、当時ニューヨークの治安が悪かったこともあり自由に外出もできず、家で繰り返し同じマンガを読みゲームをしていました。
中学時代には広末涼子の熱狂的なファンになり、その後しばらく落ち着いていましたが数年前から熱心にアイドルオタクを再開し、全国遠征や大量の投げ銭、握手券購入もしてアイドルオタク三昧の生活です。
自分自身がこのようにオタク活動をする中で、色々と不便や不都合を感じることも見えてきました。
特にアイドルオタクをする中で感じたことは、「すごく旧来型(プロダクトアウト)のビジネスをしているな」ということ。極論を言うと、オタクは大事なお客様だと建前では言いながら本音では蔑むようなビジネスをしているということです。
起業してからは芸能の人ともお付き合いが増える中でそれを感じる機会も多くなり、この業界がYouTubeやTikTokのような新興メディア(マーケットイン)に立ち位置を急速に奪われつつあることにもはや何も違和感がありません。
そして大変残念なことに、、、YouTubeもTikTokも日本の会社ではありません。オタク活動自体も、そのプラットフォームを海外の企業にすでに奪われて、日本の会社は事務所や広告代理店という立場で薄利を掠め取ることしかできません。
この国が、この先唯一世界に誇れるであろうものの、プラットフォームを自分たちが生み出せないままでいいのか。熱狂的なオタク活動のプラットフォームは、この国から生み出されるべきなのでは。
これから
起業してからは、色々とチャレンジをしながら暗中模索をしています。最初はアイドルのセカンドキャリア応援アプリを一人で開発してみたものの、ニーズも刺さらずUXも悪く、あまり受け入れられないまま早々にサービスをクローズしました。
その後は個人の受託でお金を稼ぎながら、アイドル関連の仕事を受けつつ、どのようなサービスがオタク活動のプラットフォームとなり得るのか小さく実験しては再考することの繰り返しをしています。
この実験をスピーディに数多く進めていくために、今は副業やインターンで何人かの力を借りながらサービス開発を進めています。仲間と一緒に取り組むだけでこんなにスピードが変わるのか、と個人的にはあらためてチームの力を知るよい機会となりました。
アイディアを頻繁に見直したり、修正の頻度や作業が多くなったり、この先も色々と大変なことがおきると思っています。それでも、この国からオタク活動を支えるプラットフォームを生み出したい。その想いだけが、今の自分の行動を支える一番のエネルギーになっています。
この想いに共感してもらうことができて、かつ、それを共に実行していくスキルとマインドがある方と一緒にこのようなサービスを作っていくことができればと願っております。
過去メッセージ
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